盆踊りがテレビやSNSで話題になる機会が増えている。この記事では、テレビで紹介された盆踊りの話題と、盆踊り界隈で知られる有名人・キーパーソン、そして盆踊りに関わる団体・保存会・サークルを、公開情報にもとづく事実ベースでまとめて紹介する。
テレビで話題の盆踊り
マツコの知らない世界『盆踊りの世界』
TBS系「マツコの知らない世界」では、2018年8月14日に『盆踊りの世界』が放送された。ゲストは盆踊り愛好家の佐藤智彦さん(通称・盆バサダー大ちゃん)。年間100か所以上、1日に10か所をはしごするほどの熱量で全国の盆踊りを巡る人物だ。番組では河内音頭の名曲「雷電」(山中一平師匠)や、日本三大盆踊りの一つ・郡上おどりなどが紹介された。
なお、同番組では2026年8月11日に別テーマの『阿波おどりの世界』も放送されている(盆踊りの回とは別企画)。
補足:「月曜から夜ふかし」でも2026年9月14日放送回のご当地企画の中で福岡の盆踊りが一トピックとして触れられたが、会場名・曲名など詳細は番組公式には示されていない。特定でき次第、該当する
イベントページにリンクしていく。
盆踊りの定番曲「炭坑節」の発祥地は福岡県田川市で、テレビやラジオでもたびたび取り上げられる。炭坑節の由来と踊り方は炭坑節のページでくわしく解説している。
NEO盆踊り・盆ジョヴィ ― 現代風の盆踊り
近年もっとも注目されているのが、伝統的な音頭だけでなくヒット曲やアニメソング、DJのプレイに合わせて踊る現代風の盆踊りだ。福岡や北九州では「NEO盆踊り」と呼ばれ、西日本新聞などでも紹介されている。若い世代が浴衣で集まり、櫓を囲んで最新曲で踊る光景が各地に広がっている。
東京・中野の「中野駅前大盆踊り大会」は、DJがボン・ジョヴィの楽曲をかける「盆ジョヴィ」がSNSで大きな話題になり、来場者が年6万人規模に成長した。中野エリアの盆踊りは中野区の盆踊り一覧から探せる。大阪・関西万博でも、芸人が主催する「盆踊りのアシタ」が半年にわたり開かれ人気を集めた。
盆踊り界隈の有名人・キーパーソン
盆踊りブームを支える人たちを紹介する。いずれも公開情報にもとづく、盆踊りに関する活動の事実のみを記載している。
佐藤智彦(盆バサダー大ちゃん)
盆踊り愛好家
「マツコの知らない世界」盆踊りの回にゲスト出演した盆踊り愛好家。年間100か所以上の盆踊りに参加し、楽曲の発掘や団体への指導も行う。2022年に著書『東京盆踊り天国 踊る・めぐる・楽しむ』(山と溪谷社)を出版し、都内78か所を紹介した。
DJ KOO
TRFリーダー/日本盆踊り協会 特別芸術顧問
2017年から盆踊りに関わり、代表曲「EZ DO DANCE」を盆踊り調に振付。日本盆踊り協会の特別芸術顧問に就任し、海外でも盆踊りの普及活動を行っている。
鳳蝶美成(あげは びなり)
日本民踊 鳳蝶流 家元師範/日本盆踊り協会 特別顧問
2013年から「中野駅前大盆踊り大会」実行委員長を務め、年6万人規模に成長させた。auのCM「三太郎音頭」の振付や、東京2020オリンピック閉会式「東京音頭」の出演・演出補佐も手がけた。
FISHBOY
ダンサー/日本盆踊り協会 芸術顧問
世界的ダンスバトル「JUSTE DEBOUT」優勝経験を持つダンサー。全国で老若男女が一体となって踊る盆踊りに感銘を受け、日本盆踊り協会の芸術顧問として盆踊りを世界に広める活動を行う。
矢島友幸
一般社団法人日本盆踊り協会 代表理事
2003年の東京高円寺阿波おどりとの出会いを機に盆踊りに開眼。2016年に日本盆踊り協会代表理事に就任し、自治体の継承課題の解決や、盆踊りの観光資源化に向けた活動を推進している。
藤崎マーケット・トキ
お笑い芸人
2025年大阪・関西万博の吉本ブースで、カラオケ盆踊り企画「盆踊りのアシタ」を約半年間主催。ほぼ毎晩、盆踊りの櫓を囲む人気コンテンツに育てた。
見取り図(盛山晋太郎・リリー)
お笑いコンビ
自ら主催する「見取り図盆踊り」を大阪・靭公園などで開催。お笑いのネタやゲームのあと、メインイベントとして盆踊りを行う"お笑いと盆踊りの融合"イベントで、約3,500人を動員した。
小野和哉
ライター・編集者
2012年に佃島の盆踊りに参加して以来、盆踊り・祭り・郷土芸能を取材。共著『今日も盆踊り』(タバブックス)を刊行し、郡上おどりの音頭取りへのインタビューなども発表している。
河内音頭・江州音頭の名人
関西の盆踊りを支える音頭取り・演者たち。河内音頭・江州音頭は関西の盆踊りの定番だ。
河内家菊水丸
伝統河内音頭継承者
9歳で初めて盆踊りの櫓に上がった河内音頭の演者。1984年に「新聞詠み」を復活させ、時事ネタを織り込む音頭で人気を博した。八尾市河内音頭記念館の館長も務める。
鉄砲光三郎
河内音頭 音頭取り(1929〜2002)
1960年代初頭に作曲家・和田香苗とジャズや浪曲の要素を取り入れた「鉄砲節」を創作。1961年「鉄砲節河内音頭」がミリオンセラーとなり、河内音頭ブームを再燃させた。
京山幸枝若(初代)
浪曲師・河内音頭 音頭取り(1926〜1991)
持ち前の美声で「京山幸枝若節」を確立した浪曲師。異ジャンルとの共演で浪曲の古いイメージからの脱却を図り、河内音頭の担い手としても知られた。
中村美律子
演歌歌手
大阪府東大阪市出身。高校在学中から河内音頭の音頭取りを務め「天才音頭少女」と呼ばれた。後に演歌歌手へ転身し、「河内おとこ節」などのヒット曲で知られる。
桜川唯丸(二代目)
江州音頭 音頭取り・会主
江州音頭桜川唯丸会を統率する音頭取り。1988年頃からドラムマシンやエレキギター等を導入し、ロック・フュージョン要素を取り入れた革新的な伴奏形態を確立した。
定番曲を生んだ人たち
盆踊りの定番曲は、日本の音楽史に名を残す作り手と歌い手によって生まれた。
中山晋平
作曲家
1932年の「丸の内音頭」を翌1933年に改題した「
東京音頭」を作曲し、全国の盆踊りで踊られる定番曲として広めた。
西條八十
詩人・作詞家
中山晋平作曲の「東京音頭」の作詞を手がけた詩人・作詞家。1933年のレコード化以降、全国の盆踊りで定番となる楽曲を生み出した。
小唄勝太郎
民謡歌手(昭和期)
新潟県出身の歌手。1933年に三島一声とのデュエット「東京音頭」が大ヒットし、全国の盆踊りが東京音頭一色になるほどの流行を生んだ。
赤坂小梅
民謡歌手(昭和〜平成期)
福岡県出身の民謡歌手。「
炭坑節」「黒田節」などを歌って全国に広め、民謡を大衆音楽として確立したとされる。
松平健
俳優・歌手
「マツケンサンバII」を歌唱しヒットさせた。同曲は東京音頭などと並ぶ盆踊りの定番曲としてイベントで踊られている。踊れる会場は
マツケン・サンバⅡのページへ。
宮川彬良
作曲家
松平健が歌う「マツケンサンバII」を作曲。盆踊りでも定番曲のひとつとして各地のイベントで使われている。
盆踊りの団体・保存会・サークル
盆踊りを支える団体を、普及団体・保存会・イベント主催・現代盆踊り・サークルに分けて紹介する。すべて公式サイトや公的ページで活動が確認できる団体だ。習える教室・サークルを含む団体一覧はこちら →
全国の協会・普及団体
一般社団法人 日本盆踊り協会
協会/全国
盆踊り文化の普及・振興を目的とする一般社団法人。情報発信や普及活動を行い、公式サイトで全国の盆踊り情報も紹介している。
公益財団法人 日本民謡協会
協会/全国
民謡・民踊(盆踊りを含む)の保存・振興を目的とする公益財団法人。全国の会員団体を統括し、大会開催や普及事業を行っている。
日本民踊 鳳蝶流
流派/東京(全国展開)
家元・鳳蝶美成を中心とする日本民踊・盆踊りの流派。教室運営や講習を通じて民踊・盆踊りの指導普及を行う。
伝統芸能の保存会(重要無形民俗文化財)
郡上おどり保存会
保存会/岐阜県郡上市
国指定重要無形民俗文化財・ユネスコ無形文化遺産「風流踊」の一つ「郡上踊」の演奏・後継者育成を担う。毎年7〜9月の郡上おどりを運営する郡上おどり運営委員会の構成団体。
西馬音内盆踊保存会
保存会/秋田県羽後町
国指定重要無形民俗文化財・ユネスコ無形文化遺産「西馬音内の盆踊」を継承する保存団体。日本三大盆踊りの一つに数えられる。
毛馬内盆踊保存会
保存会/秋田県鹿角市
国指定重要無形民俗文化財・ユネスコ無形文化遺産「毛馬内の盆踊」を継承する保存団体。かがり火を囲んで踊る幻想的な盆踊りで知られる。
新野高原盆踊りの会
保存会/長野県阿南町
国指定重要無形民俗文化財・ユネスコ「風流踊」の「新野の盆踊」を継承する団体。楽器を使わず唄と踊りだけで夜通し踊る徹夜踊りで知られる。
白鳥踊り保存会
保存会/岐阜県郡上市白鳥町
1947年結成。白山民謡文化圏の踊りを継承する団体。国選択・県指定の無形民俗文化財で、おどり名人コンクール等を主催する。
河内音頭保存会
保存会/大阪府
大阪発祥の伝統芸能・河内音頭の保存継承を目的とする団体。盆踊りイベントへの出演、練習生の募集、太鼓・三味線による唄い継ぎを行う。
有名な盆踊り・イベントの主催団体
中野駅前大盆踊り大会実行委員会
イベント主催/東京都中野区
通称「盆ジョヴィ」で知られる中野駅前大盆踊り大会を主催。DJ KOOらが出演し、アーツカウンシル東京の助成対象事業にもなっている。
NPO法人 東京高円寺阿波おどり振興協会
イベント主催/東京都杉並区
毎年8月に多数の連が参加する東京高円寺阿波おどりを主催・運営するNPO法人。連の紹介や大会の歴史発信も行う。
八尾河内音頭まつり振興会
イベント主催/大阪府八尾市
「八尾河内音頭まつり」を主催し、河内音頭グランプリの開催や八尾本場河内音頭連盟の統括を行う振興団体。
現代の盆踊りを仕掛ける団体
Neo盆踊り -動物仮面舞踏会-
現代盆踊り/各地
体験作家アメミヤユウが手がける、動物のお面をつけて無音(サイレント形式)で踊る現代的な盆踊りプロジェクト。メディアでも紹介されている。
東京盆踊りの会
団体/東京都
盆踊りの保存・継承と普及に取り組む団体。盆踊り資料館の運営や、YouTubeでの踊り方動画配信などを行う。おどったーの曲ページでも同会の解説動画を紹介している。
盆踊りサークル・同好会
調布the盆dance
サークル/東京都調布市
日本舞踊家の指導のもと「調布音頭」「調布小唄」の継承・振り付け創作に取り組む盆踊りサークル。海外公演の実績もある。
東京大学盆踊りサークル
サークル/東京都文京区
東京大学の学生サークル。駒場祭・五月祭などの学園祭で盆踊り企画を実施し、キャンパス内で盆踊りイベントを開催している。
盆踊りサークル 踊月
サークル/東京都豊島区
大正大学の公認サークルとして活動する盆踊りサークル。大学祭「鴨台祭」などで盆踊りの実演を行う。
話題の曲・会場をおどったーで探す
テレビやSNSで見た曲や会場は、おどったーで実際に踊れる場所を探せる。
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